アレンジャー、キーボーディストとして知られる安部 潤、初のソロアルバム。 百万のセンスを持つミュージシャン達が彼のもとに集まり、その枝葉を広げた ジャズ・フュージョンの傑作! |
|
The Sensimillia Family Tree / Jun Abe | |
安部 潤 ホームページ![]() |
Label: Roving Spirits |
発売会社:有限会社ローヴィング・スピリッツ 販売会社:スリーディーシステム株式会社 株式会社プライエイド・レコーズ (P)2004 Roving Spirits Co., Ltd. |
|
【収録曲・参加メンバー】 |
安部潤音楽プロデューサー、アレンジャー、キーボードプレイヤー
1968年3月1日生 福岡県福岡市出身
3歳の頃からピアノ教師である母親のもとでクラシック・ピアノを始める。中学時代からジャズ
/ フュージョンにのめり込み、高校時代にDTMを本格的に始める。大学入学後は、様々なバンドで活動を行うと同時に、CM音楽の制作などにも携わるようになる。
その後上京、東野純直「君は僕の勇気」でアレンジャーとしてデビュー。以後、MISIA
「忘れない日々」、タッキー&翼「夢物語」、奥村愛子「蝶、波と風と月と星と」、安室奈美恵「ALL
FOR YOU」や映画主題歌(来春公開『ギミー・ヘブン(江口洋介、宮崎あおい主演)』他2本)などバライエティに富んだアレンジを手がける一方、キーボード、ピアノ奏者としてもMISIA,
東山紀之、浅岡雄也などのツアーのバンドマスターをつとめたり、川井郁子、Coco
D’or(Speed, hiroのプロジェクト)、上戸彩、Jafrosax
(Sax勝田一樹のプロジェクト)などのライブ・コンサートや、中島美嘉、島谷ひとみ、大塚愛、Kinki
Kids などのアーティストのレコーディングに参加
するなど、幅広く活動中。
2002年には、高内春彦氏の協力により、ニューヨークでビル・エヴァンス(sax)とのレコーディングを行ったり、aminとともに、上海でのユニセフ・コンサートに参加するなど活動の場を海外にも広げた。
自身のジャズフュージョンアルバム「The Sensimillia
Family Tree」が12/15にRoving Spiritsより発売も決定。今年から開始した自己リーダー・バンドのライブ活動も、来年は1/18の目黒ブルースアレイを皮切りに海外への進出も計画中。
【ライナーノーツ】より
キーボード・プレイヤーとして、そして作編曲家として、様々なアーティストをサポートしてきた安部潤が、いよいよソロ・アーティストとしてのキャリアをスタートさせた。これは彼にとって初めてのリーダー・アルバムだ。
安部潤は、1968年3月1日福岡市生まれ。ピアノ教師である母親のもと、3歳の頃からクラシック・ピアノを始め、中学時代にジャズ/フュージョンにのめり込み、高校時代からは、本格的にDTMを始めた。そして大学入学後は、様々なジャンルのバンドでの活動を始めるとともに、CM音楽の制作などにも携るようになる。その後上京し、93年に東野純直の「君は僕の勇気」でアレンジャーとしてデビュー。また同じ頃“FIELD OF VIEW”の前身である“VIEW”に加入し、キーボード/アレンジを担当していた。同グループ脱退後は、作曲家/アレンジャーとしての活動を本格的に始め、「Love Impact/MAX」「小川直也のテーマ」(以上作曲)、「忘れない日々/MISIA」「コイゴコロ/嵐」「TWO/CHEMISTRY」「朝日の中でほほ笑んで/諌山実生」「夢物語
/タッキー&翼」(以上アレンジ)などをはじめとする、数多くのアーティストの作品を手掛ける一方、キーボード奏者としても、MISIA、shele、田原俊彦、東山紀之などのツアー・バンドのリーダーをつとめ、さらに中島美嘉、KinKi Kids、V6をはじめとする数多くのアーティストのレコーディングに参加するなど、幅広い分野で活動してきた。また2000年には、土屋浩美(vo)と“HIROMIK LADDER”というユニットを結成し、シングル2枚をリリースしている。さらに2002年には、ニューヨークで高内春彦(g)やビル・エヴァンス(sax)とレコーディングを行なったり、本アルバムにも参加しているaminとともに、上海でのユニセフ・コンサートに参加するなど、活動の場を海外にも広げている。
そんな彼が、ついに制作したソロ・アルバムがこの『The Sensimillia FamilyTree』だ。ちなみにタイトルは、“Sensimillia=ミリオンのセンス”という造語と、“Family Tree=家系図”という言葉を組み合わせたもの。“Family Tree”には、その発展型として、“集合体の頂点からそれに連なる輪が広がる”という意味合いもあり、最近のヒップ・ホップ・シーンでもよく使われている言葉である。つまり安部潤を中心に、あらゆるセンスを持ったアーティストたちが集結し、その輪が広がっているということを意味している。まさにこのアルバムにピッタリのタイトルだといえるだろう。元カシオペアのスーパー・ベーシスト櫻井哲夫、日本を代表するベテラン・パーカッション奏者のペッカー、『世界遺産』の音楽などでも知られる鳥山雄司、元AB'Sの松下誠などをはじめとする、彼の演奏仲間でもある豪華なミュージシャンたちが多数参加し、彼とともにこの素晴らしい音楽を作り上げている。さらにゲスト・ヴォーカルも、元PSY・Sで、現在はジャズ・シンガーとしても活躍中の安則“Chaka”眞実、元escalatorsで、現在はSOYSOULで活躍中のZOOCO、ウーロン茶のCMソングで注目を集めている、上海出身のamin、そして元FIELD OF VIEWの浅岡雄也と、彼の人脈の幅広さを物語っているような素晴らしいシンガーたちが参加している。このメンバーの豪華さを見ても、彼が多くのミュージシャンたちから信頼され、人望も厚いということがわかるだろう。
そういうメンバーたちと作り上げたこのアルバムだが、コール・ポーターによるスタンダード曲「Night & Day」以外は、すべて安部潤のオリジナル。キーボード・プレイはもちろん、作編曲家としての彼の才能の豊かさも、ここでは見事に表現されている。ファンキーなビートに乗せて、安部潤、松下誠、エリック宮城、宮下智のエモーショナルなソロがフィーチュアされる「Rippin' Out」からこのアルバムはスタートする。続く「Beijing」は、勢いある北京の街の印象を曲にしたナンバー。タイトなリズムとキレのいいホーン・セクションが、街の喧噪を絶妙に表現している。鈴木明男、鳥山雄司、櫻井哲夫のソロも熱く、後半に向かって全員がひとつになって盛り上がっていく演奏が素晴らしい。息子に捧げて作ったという「Especially You」は、彼のロマンティックな一面が表現された美しい曲だ。aminの透明感あふれる歌声、安部潤のブレス・コントロールによるシンセサイザー・ソロもいいムードを醸し出している。「You Never Know How It Worth」は、クラブ・テイストも感じさせるミディアム・ナンバー。ZOOCOのヴォイスが印象的で、安部潤と山本一の掛け合いも聴きものだ。「Bouncin' Back」はゆったりとした、ムーディーなナンバー。安部潤のピアノ、櫻井哲夫のフレットレス・ベース、鳥山雄司のギターなど、それぞれのミュージシャンたちのツボを押さえたプレイが堪能できる。「Lago di Garda」は、北イタリア・ガルダ湖の印象を曲にしたもの。ワルツのリズムに乗せて、アコースティック・ピアノが繊細なメロディを奏でていく。ジャズ・ピアニストとしての彼の才能の豊かさが見事に表現されているトラックだ。中川英二郎のスケールの大きなトロンボーン・ソロも曲調にうまくフィットしている。「Inspire Me」は、70年代フュージョンを意識して作ったというナンバー。山本一のフルート、幾見雅博のギターがジャジーな世界観をうまく表現している。「Built For Speed」は“難しくて、練習しがいのある曲を作ろう”と思って作った曲だとのこと。複雑なリフを畳み掛けてくるようなストリングスが、曲のスケールをより大きなものにしている。宮下智の超絶フレットレス・ベース・ソロも聴きものだ。“自分なりのアレンジをしたスタンダード曲を、あえて1曲入れたかった”というコンセプトによる「Night & Day」は、CHAKAのスウィンギーなヴォーカルと、ちょっぴりアフリカンなアレンジが絶妙にフィットした、アレンジ・センスが光るトラックだ。そしてラストの「The Golden Cocoon」は鈴木明男のソプラノ・サックスをフィーチュアしたメロディアスなナンバー。熱くなった耳をクールダウンさせてくれるような、心地よいサウンドになっている。これまでどちらかというと、ポップス・フィールドでの活動が多かった安部潤だが、このアルバムでのキーボード・プレイはどれもエモーショナルで素晴らしく、インストゥルメンタル・アーティストとしても、ずば抜けた才能を持っているということがよくわかる。さらに作編曲の面でも、タダ者ではないということが、その音から伝わってくる。これはまさに、安部潤というアーティストのすごさを見せてくれる力作だ
といえるだろう。初リーダー作で、こんなに素敵な作品を作り上げた彼の今後の活動が、すごく楽しみだ。〔OCT.2004 熊谷美広〕